飛べない豚はトドになった

本と文房具が好きなのにIT系企業でPMをやっているパパの日記。結婚してから増えてしまった体重を減らしたい。

夫婦の物語、人を知る物語、そして自分を見つめなおすきっかけ。『ダンナ様はFBI (幻冬舎文庫)』

こんにちは、カユウです。

次は何を読もうかな~とKindle Unlimitedで探していたところ、なんとなく気になった本がこちら。

ダンナ様はFBI (幻冬舎文庫)

調べてみるとドラマ化もしていたそうですが、全く知りませんでした。

タイトルと表紙を見て、『ダーリンは外国人』(著:小栗 左多里) と近いのかな、旦那さんの仕事が特殊なものだとどうなるのかな、という興味本位で読んでみようと思いました。
ダーリンは外国人』(著:小栗 左多里) は人から借りて読んだことがあります。
国際結婚した二人が、それまで育ってきた文化の差によるギャップによる苦しみと楽しさを知ることができ、とても楽しく読みました。

読み始めてみたら、最初に思っていた予想が吹き飛んでしまいました。
これは、ロマンチックでもなんでもない出会いをした二人が結婚し、家族となり、二人三脚で進んでいくエッセイです。
よく「事実は小説より奇なり」と言いますが、これほど奇妙な出会いをした二人が結婚するのか~という感じで始まりました。
結婚するまでにもさまざまなエピソードがあり、ビックリしつつも読む手を止められませんでした。
そして、奥様がよりよい仕事をするために、ダンナ様が教えてくれるFBIでの経験を活かしたアドバイスの数々は、自分を見つめなおすきっかけにもなりました。

たとえ間隔があいても、定期的なものに人は縛られていく。内容はともかく、またそろそろ届くというぼんやりとした期待を抱くと、人間はそこにつながっている感覚を育てていくというのだ。それには1年以上は必要だ、と。 ダンナ様が奥様の気を引くために行った心理作戦のネタばらしの文章の一部です。

僕が読み始めて最初に印象に残った文章です。
どうしても一緒にいたい。
その気持ちがあったから、ダンナ様は1年以上も定期的に続けることができたんだろうな、と思いました。

奥様とダンナ様の出会いから結婚するまでのエピソード。
結婚後はダンナ様のアドバイスを受けて、仕事にプライベートに全力を注ぐ奥様の奮闘の数々。
面白おかしく読ませてもらっていますが、時代も考えれば当時は苦労の連続だったんだろうな~

住まう家の周囲を見て回り、トラブルや自分たちの不利益になるような状況にならないかを確認する。
一流の錠前師に依頼して鍵の数を増やす。(ダンナ様は指示のみで手配したのは奥様のようですが(笑))
自分の知識を総動員した言動は、愛する奥様を守りたい、その一心から生まれたものだと思います。

ダンナ様のほうが年上であり、平均寿命から考えても奥様のほうが長生きする可能性が高いです。
どんなに突飛なことだと思われたとしても、自分がいなくなったあとに奥様が安全であってほしいという願いがあったのかもしれません。

僕も結婚し、子供を持つ親の一人です。
そしてダンナ様と同じように守りたい人がいて、奥様とダンナ様と同じように仕事が好きだ。

でも、僕は民間企業に勤めるサラリーマンです。
フリーランスのコピーライターでも、大使館職員でもありません。
性別が同じである僕とダンナ様が一番違うと思ったのは、愛する人と一緒にいるために持てる力を総動員する行動力と、文化も言葉も違う異国に永住することを決めた決断力です。
もし外国の方に心から惹かれたとしても、僕だったら何も行動せずに諦めてしまうだろうと思いました。

最初はダンナ様の破天荒ぶりを紹介する本だと思い、読み始めました。
読んでいくと、エッセイの形をした奥様の惚気話だと感じ。
そして、文庫版発売にあたり2012年に加筆された最後のエピソードまで読むと、ダンナ様がこの世に生きた証が奥様であり、この本なのだと思いました。

この本を読むと元気になり、自分のこれまでを振り返るきっかけをもらえ、最後はしんみりとした気持ちになります。
読み終えたあとは、なんとなくダンナ様に「しっかりしろよ!」と肩を叩かれた気がしてくる、そんなパワーを与えてくれる本です。

ではでは、今回はここまで。