こんにちは、カユウです。
小説家として、出版社という企業と仕事をしてトラブルに巻き込まれてしまったら。 どうやって解決したらいいのか。 そもそも、トラブルに巻き込まれないためにはどうしたらいいのか。
そんな悩みに答えてくれる本がこちらです。 『生業としての小説家戦略 専業作家として一生食っていくための「稼げる」マニュアル54』
KADOKAWAとはてなが主催しているカクヨムというサイトのエッセイコンテストで、読者ランキング1位にも関わらず受賞しなかったという話題作だそうです。 カクヨムは時々読んでいましたが、エッセイは読んだことありませんでした。
エッセイコンテストで読者ランキング1位になったにも関わらず、受賞しなかったという内容に興味を持ち、読むことにしました。
この本を読んでわかったことは2つあります。 1つめは、本が売れるのは運の要素が強く、編集者さんは運の良い作家さんを使いたがるということ。 2つめは、あきらめてもいいことはない、逃げるでもいいので行動することが大事であるということ。
特に運の要素は自分がどんなに頑張っても、恵まれないこともあります。 そんなときは名前を変えてみるなど、心機一転を図ったほうが良いのかもしれません。
読み始めて早々に出てくるこちらの言葉が、この本がどのような本なのかを端的に、わかりやすく伝えてくれています。
この本は、小説の書き方の本ではありません。 作家を経営するためのノウハウ本です。
作家として、個人として、出版社や企業とのトラブルが起こってしまったときの対応方法の例や、トラブルを発生させないために作家ができることについて書かれています。 実際に商業作家になってみないとわからないようなトラブルもあるんだな、と思いました。
前半で印象に残ったのは、未払いへの対処についてです。 作家として作品を書き上げて出版社に納品し、雑誌にも掲載されたにも関わらず、お金が支払われない。 未払いや不払いになってしまったときに対処したノウハウだけではなく、当時の気持ちや、今だったらこう対処する、ということまで本には書かれていました。 当時の気持ちを読んでいくと、目の前にその情景が浮かんでくるくらい引き込まれてしまいました。
小説家として食っていくためのマニュアルというタイトルですが、内容はトラブル対応や出版社との関わり方が書かれている本だと思います。 楽しく読みましたが、あとがきまで読んで、これは著者の方が実際に体験されたことである、ということに改めて気づかされました。
会社勤めであれば、同僚や上司に相談することもできます。 何かうまくいかなかったとき、同僚や上司が手伝ってくれるかもしれません。 しかし、フリーランスになると、一人で仕事をすることになります。 何かあったとき、困ってしまったとき、相談できる先があることはとても大事なのだ、ということを知ることができました。
小説家ならではのところもあるかもしれませんが、企業から発注されて仕事をしているフリーランスの方にはオススメです。
ではでは、今回はここまで。