夜ふかしログ

30代サラリーマンが育児・家事・在宅勤務が終わったあと、夜更かしをして読んだ本を紹介したりしなかったりするブログ

金田一37歳の事件簿 (9) / 天樹 征丸  (原著), さとう ふみや (著)

テレビアニメやドラマにもなった「金田一少年の事件簿」。
その公式続編が「金田一37歳の事件簿」です。
金田一少年の事件簿」から20年。
37歳になり、小さなPR会社に勤めるサラリーマンのはじめちゃんが、解きたくないと言いながらさまざまな事件に遭遇。
不本意ながら事件解決をしていく物語です。

金田一37歳の事件簿」は、イブニングで掲載されています。
イブニングを読んだことなかったんですが、毎月第2、第4 火曜日に発売されている隔週誌でした。

2021年4月23日に、9巻が発売されました。
9巻では、8巻から続く「騒霊館殺人事件」の解決編と、「綾瀬連続殺人事件」の事件編が載っています。

「騒霊館殺人事件」は、ミステリー系の作品だとだいたい出てくる古城、古いお城を舞台にした事件です。
古城につきもののオカルトが中心になっていますね。
個人的におおって思ったところは、登場人物の中にドラマ版「孤独のグルメ」の五郎さんを演じている松重豊さんっぽい方がいるところです。
ヨーロッパ家具の輸入業を営んでいるところも同じで、ニヤニヤしちゃいました。

高校生だった時とは違い、PR会社に勤めていることで、古城にいく理由が仕事だっていうところで、情報が入手しやすくなっている反面、いっしょにいる面々からの話を聞きにくくなっているな、というのがあるように思いました。
「騒霊館殺人事件」の解決編は、人によっては嫌がるかもしれません。
僕は、人の無念や思いっていうのは死んでも残るんじゃないか、と思っているので、これはこれであり、と思いました。
発端になった事件がひどすぎるので、被害者側への同情心はなくなりました。

後半は「綾瀬連続殺人事件」の事件編です。
いとこの金田一二三が再登場。
高校時代のはじめが解決した事件のトリックだけを使い、人間関係や動機を創作した結果、ミステリ大賞の佳作に選ばれた、というところから物語が始まります。
もろもろの結果、はじめちゃんが勤めるPR会社が主導して、ミステリ大賞の授賞式を取り仕切ることになりました。
そのミステリ大賞で、大賞を受賞した"綾瀬連続殺人事件"になぞらえた殺人事件がおこります。
ミステリの題材として使われる見立て殺人をイメージしているように見えました。
9巻ではまだ事件が起こったばかりで、犯人像も、事件の全体像もまったく見えません。
ここからはじめちゃんはどうやって謎を解明していくのか。

仕事している人が探偵役だと、いろんなシーンを作ることができるんだな、と思いました。
いとこの二三が探偵社に勤めていたり、高校時代の先輩である真壁さんが警視庁に勤めていたり、20年で変わる人は変わるんだな〜。
真壁先輩が刑事とか、まったく想像できなかったですからね。
真壁先輩と居酒屋で話している中で、はじめちゃんが口にしかけた謎を解きたくない理由。
20年の中で、どんなことがあったのか、というところも気になりますね。
地獄の傀儡師、高遠遥一もかかわってくるのかな。
今すぐにでも解決編が読みたくなりました。

ちなみに、僕は埼玉出身なので、綾瀬っていう地名を聞くと埼玉県をイメージするんですが、東京と神奈川にも綾瀬っていう地名があるのは知りませんでした。
まだ調べてないからわかってないんですけど、埼玉の綾瀬やら東京の綾瀬、神奈川の綾瀬って電車で移動していくとどれくらいかかるんだろう。
埼玉から神奈川って考えると2時間かからないくらいでいけるのかも。 ちょっと調べてみようかな。

おわりに

金田一少年の事件簿」を読んだことがあるなら、ぜひ「金田一37歳の事件簿」も読んでほしいです。
37歳という中年になったはじめちゃんが、大人になったからこそ出会う事件の謎に挑みます。
謎は解きたくないっていいながらも、謎を解いていく。
そんなはじめちゃんの悩みが解消されるといいな。
あと、9巻になっても登場しないヒロインの七瀬美雪はいつ登場するのか。
謎解き以外の楽しみもあるミステリマンガです。