複雑にこんがらがってごちゃごちゃになった問題をスッキリ整理する『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』 / 木部 智之 (著)
プロジェクト開発を進めることと、発生した問題をどう扱うかを決めることがプロジェクトマネージャーをしている僕の仕事。だけど、思わぬことがきっかけで問題が同時に起こり、頭の中だけで整理できなくなった。
そんなとき、書籍『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』を読んで整理の仕方を知り、無事にプロジェクト開発を進められるようになった。僕にとって効果的だった部分を紹介する。
2軸思考とはどういうことか
読んで字のごとく、2つの軸で思考する。だから「2軸思考」。とてもわかりやすい命名だけど、名前を見ただけではやり方や効果がイマイチわからない。
2軸思考のやり方は、簡単。まず、紙に縦と横の線を描く。次に、考える目的に合わせて、縦と横の軸の意味を決める。そして、頭の中にあるものを2軸の中にプロットしていく。
焦っているときに使うことを考えると、やり方が簡単なのはありがたい。焦っているときに、複雑な手順をミスなく行うなんて僕には無理だからだ。
それで、本書を読んで僕なりに理解した2軸思考の効果は以下の3点。
- 2つの軸を使って構造化することで、問題を整理し、考える点を明確にする
- 紙やデータとして見える化することで、新しいアイデアを考えることに頭のリソースを使える
- モレなくダブりなく(MECE)を実現しやすい
特に僕が良いと思ったのは、1点目の「2つの軸を使って構造化することで、問題を整理し、考える点を明確にする」ということ。なぜなら、僕が僕が困っていることだったからだ。
効果的だった使い方
当時、いろいろな問題が起こったので、問題の影響も優先順位もごちゃごちゃになっていた。頭の中がごちゃごちゃな状態に加え、早く決めないとと焦っているので、良いアイデアなんて浮かぶわけもない。もうどうしたらいいかわからないという状態になり、メンバーからせっつかれても判断できず、先送りにしたことも多い。
そんな状態を解消し、プロジェクトを終了させることができたのは、2軸思考で問題を整理できたから。
僕が書いたのは2軸の例を紹介する。プロジェクトの内情や表に出せないことを書いているので、書いたものは出せないが、2軸とどういう効果を得られたのかを書く。
1つ目は、縦を重要度、横を作業工数としたもの。重要度が高く、作業工数の少ないものから着手してもらうことで、進捗率を維持することに一役買った。
2つ目は、縦を費用、横をスケジュールとしたもの。いつまでなら問題解決に取り組んでも費用内に収まるのかを測る上で役に立った。
3つ目は、縦を問題、横を対応策、事象、課題としたもの。起こっている問題とその対応策をお客さんに説明する資料に入れることで、状況報告の印象が良くなった。
考え方を変えると世界が変わる
2軸思考で考える前と後では、世界が違って見えた。
考える前は、さまざまな問題が起こっており、何から手をつけたらいいのかを判断することができなかった。頭の中がごちゃごちゃして、妻から心配されるくらい気落ちしていた。
考えた後は、何から手をつけたらいいかを判断でき、お客さんに納得いただく形で状況報告をすることができた。問題は解決していなかったが、お客さんとの打ち合わせが終わった後の気持ちは晴れやかだったことを覚えている。
もうどうしたらいいかわからないとなっていた状態から状況は何も改善していない。しかし、考え方を2軸思考で変えたことで、気持ちが大きく変わった。考え方を変えただけではあるが、世界が大きく変わったような気がしたのだ。
おわりに
僕はたまたま図書館で見つけて、本書に辿り着くことができた。それ以来、2軸思考を使っている。資料作成や目標設定にも使える汎用的な考え方だ。
もうどうしたらいいかわからない、と悩んでいる方がこの記事を参考に『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』を読み、世界が変わる感覚を味わってくれたら嬉しい。