夜ふかしログ

30代サラリーマンが育児・家事・在宅勤務が終わったあと、夜更かしをして読んだ本を紹介したりしなかったりするブログ

鹿の王 1 / 上橋 菜穂子 (角川文庫)

2015年本屋大賞受賞作です。 2021年9月10日に映画が公開されるということで、今さらながら読みました。

著者は上橋 菜穂子さん。 NHKでアニメになった『精霊の守り人』の作者さんです。

強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。 妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。 ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。 生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。

この物語を進めていく登場人物は、内容紹介に書かれているヴァンだけではありません。 ヴァンが住んでいた地域を過去に治めていた旧オタワル王国の末裔であり、稀代の医術師と言われているホッサルも、物語の重要な役割を担っています。 謎の病から生き延びたヴァンと、その謎の病を追うホッサル、という二つの視点から物語が進んでいきます。 ヴァンは、病から生き延びた幼子のユナとともに世界を生きていきます。 人や動物との出会いを経て、人々の暮らしぶりがわかる描写があります。 『鹿の王』の世界は、ファンタジー世界だと思うのですが、細かい描写のおかげで光景が想像しやすいです。 ホッサルは、ヴァンを追いかける部分もありつつ、病の治療法を調べる、ということが目的になっています。 こちらはこちらで、国の関係性やどんな役割の人がいるのかということがわかっていきます。

おわりに

物語を進めていく主要人物の視点を切り替えるタイミングがすばらしいんですよ。 続きが気になるところで、視点が変わっていくんですよね。 あー、このあとどうなるんだろう?ってやきもきしつつも、気になっていた続きが読める!という感じで、ページをめくる手が止まりませんでした。 あとは、私にとっては固有名詞が難しい物語です。 読み仮名を振ってくれているのですが、ちょっと忘れたころに出てくると読めないんですよね。 なんだっけ?って思うたびに、読み仮名がふってあるところに戻ることもちらほら。

そして、1巻の終わりが、ここで終わるのか!って思うところで終わりなんですよ。 読み終えてすぐに2巻を注文しました。 この物語の結末が楽しみです。