夜ふかしログ

30代サラリーマンが育児・家事・在宅勤務が終わったあと、夜更かしをして読んだ本を紹介したりしなかったりするブログ

Z MAN / 西川秀明 (著)

助けてって言われたから。
暖かいご飯を一緒に食べたから。
その理由があるから、『Z MAN』の主人公であるナナシは命を賭けて戦うのです。
たったそれだけの理由で?と思う読者も多いでしょう。
作中、ナナシに助けられた人たちですら、そう言っていました。
ナナシは嬉しそうな笑顔でうなずくのです。
辛く厳しい戦いに立ち向かうためには、人と人との絆が必要なんだ。
ナナシたちから、そう教わったような気がします。

『Z MAN』は1991年から1995年まで月刊少年ガンガンで連載されていたSFマンガです。
遠い未来、人類は地球から生命力(アバス)と呼ばれるエネルギーを発見し、その力により、人工生命体“イーデア”を誕生させました。
そして、彼らの管理の為に意思を持った超巨大コンピュー タ“MOTHER”を設置。
"MOTHER"の管理下、人類・イーデアは共に更なる文明の発展を目指していました。
しかし、突如として"MOTHER"が狂いだし、地球上の全イーデアが人類に牙を剥く殺人鬼と化してしまいます。
人類はこの危機を乗り越える為に全イーデアの機能を停止する、対イーデア独立停止ユニット"Zイレイザー"を作動。
しかし、狂った“MOTHER”はそれを阻止する為に生命力(アバス)を暴走させ、"Zイレイザー"と衝突。
文明は崩壊し、地球の半分が砕けてしまいました。
そして千年後、荒廃した地球は邪進化悪魔(イーデア)が人を襲い、喰らう暗黒の世界と化していました。
とある邪進化悪魔(イーデア)に襲われる少女ヤティマ。
彼女の助けを求める叫びに応えるかのように、突如として石柱から少年が現れ、彼女を救うのです。
その胸には伝説の“Z”の刻印が浮かんでいました。

石柱から現れた少年こそが『Z MAN』の主人公であるナナシです。
ナナシは、ヤティマを助けたあと、なくしている自分の記憶を探すため旅に出ます。
その旅の途中、アジャンタやギャンザ、ガンダーなど、さまざまな人やイーデアたちとの出会いを経て、ナナシは成長していきます。
そして、物語の終盤では"MOTHER" が狂ってしまった理由が明かされるのです。

『Z MAN』を初めて読んだのは小学生のときだったのですが、読み終わった時の衝撃は大変なものだったと記憶しています。
小学校で開催されたフリーマーケットで、親にねだって買ってもらった『Z MAN』全11巻セット。
ナナシたちの物語は、小学生の僕の胸を熱くさせました。
僕の人格形成に影響を与えた可能性はなきにしもあらずです。

20年以上経った今、Kindle Unlimited に『Z MAN 完全版』があったので読み直し。
久しぶりに読みましたが、物語に引き込まれてしまい、11巻イッキ読みしてしまいました。

大変な時代だからこそ、人と人との絆が大事です。
いろいろな人に読んでほしいですが、特に『Z MAN』が連載されていたときに少年少女だった30代、40代くらいの方々に読んでほしいな、と思います。
あなたの胸が熱くなること間違いありません。