夜ふかしログ

30代サラリーマンが育児・家事・在宅勤務が終わったあと、夜更かしをして読んだ本を紹介したりしなかったりするブログ

小説 妖怪大戦争 ガーディアンズ / 荒俣 宏  (著)

あれ、妖怪の話だよね?
間違って現代SFの本を買っちゃった?
そう思ってしまうほど、冒頭から情報量の多い小説になっております。

2021年8月13日に全国公開される映画「妖怪大戦争 ガーディアンズ」の小説版を読みました。
著者は、荒俣宏さん。
テレビのバラエティ番組などにも出演されているので、見たことがある方もいらっしゃると思います。
なんで荒俣宏さんが書いているんだろうって思ったのですが、Wikipedia を見て納得しました。
Wikipedia に書かれている肩書から「妖怪大戦争 ガーディアンズ」に関係ありそうなものを抜粋すると、博物学者、図像学研究家、小説家、神秘学者、妖怪評論家、武蔵野美術大学造形学部客員教授日本SF作家クラブ会員、世界妖怪協会会員。
しかも、映画「妖怪大戦争ガーディアンズ」の製作総指揮もやっていると。
著者になるべくしてなった方ですね。

フォッサマグナと呼ばれている富士山を含む火山帯に眠る化石たちが飛びだしてきて、1つに結集します。
1つに結集した化石は、地面を転がりながら東京に向かって移動していきます。
人間は、転がって移動する化石を見ることができません。
見えない化石のせいで山や家が崩れていきます。
突然家が崩れる天災としか思えない事象をただ恐れるだけの人間をよそに、転がっていく化石を見ることができる妖怪たちは慌てふためきます。
なぜなら、化石が転がっていく先は東京。
東京が壊滅してしまうのは、妖怪たちにも困りもの。
化石が東京に行かない方法を考えた妖怪たちは、渡辺綱の子孫を探します。

妖怪たちが探し出した渡辺綱の子孫、渡辺兄 (以降、ケイと表記) がこの物語の主人公。
ケイは所沢の小学校に通う男の子です。
ケイにはダイという弟が一人います。
ダイがすごい肝が据わってるんですよ。
ケイとダイ、それぞれの面から物語が進んでいきます。
ダイのルートは、妖怪たちが計画した解決までのルート。
ケイのルートは、ダイを救うためのルート。
物語が進むにつれ、2つのルートがまじりあって、結末まで一気に進んでいきます。

最後まで情報量の多い物語でした。
物語を進めていく上で必要な情報量が多いせいか、作中に登場する妖怪の紹介はほぼありません。
なので、登場する妖怪の名前を知らなければ、調べることをおすすめします。
映画版の公式サイトに、妖怪の紹介がありますので、映画の公式サイトを見るのもいいかもしれませんね。

そして、最初から最後まで、妖怪の小説なんだろうかと心配が消えません。
映画の CM で流れているので話してしまいますが、妖怪大戦争なのに大魔神が登場するんですよ。
大魔神とは、1966年に大映が製作した特撮時代劇に登場する守護神のことなのです。
妖怪というくくりにはいない守護神が登場します。

妖怪のお話というと、おどろおどろしいお話を想像している方がいるかもしれません。
ですが、お祭り騒ぎの楽しい物語となっておりますので、安心してご覧ください。

7年ぶりに赤ちゃんと僕との2人暮らし

諸事情がありまして、1週間ほど前から赤ちゃんと2人暮らしをしています。
2月に生まれた生後5ヶ月の第二子と、34歳になった父親の2人暮らし。
楽しくも大変な2人暮らしです。

衣食住を中心に、2人暮らしの状況をお伝えしますね。

まずは、衣。
服ですね。
1週間でいっきに成長するわけではないので、諸事情になる前に用意していた服を着せています。
洗濯機で洗濯をして、洗上がった服はベランダの物干しで乾燥。
外が雨だったときは、浴室乾燥におまかせ。
畳めていれば OK と言ってくれた妻に甘え、なんとなく畳んだ服をクローゼットにしまっています。

次は、食。
ご飯ですね。
生後5ヶ月となるとそろそろ離乳食の時期なのですが、まだ人工ミルクだけにしています。
万が一を考えて、4人暮らしに戻ってから離乳食を始める予定です。
もともとは母乳のみだったのですが、諸事情に備えて2人暮らしを始める少し前から人工ミルクに移行しました。
人工ミルクになってから、授乳と睡眠のリズムができてきました。
母乳より人工ミルクのほうが腹持ちがいいらしく、4時間〜5時間おきに飲むので足りるそうです。
ただ、第二子はお腹が空いたって泣くことが少ないんですよね。
どっちかといえば睡眠欲のほうが強いみたいで、眠れないと泣くことのほうが多いです。
睡眠欲が強いので、父親の僕が抱っこしていても寝てくれるのはありがたいですけどね。

ちなみに僕のご飯は固定化しております。

  • 朝:バターコーヒー、ヤクルト
  • 昼:パスタ
  • 夜:カレーライス

あすけんさんには、炭水化物とかタンパク質とかの栄養素が足りないって言われていますが、無事に生きております。
同じ食事を続けても嫌にならない性格なのは、我ながら助かっていますね。

最後に、住。
住環境ですね。
2020年10月に引っ越しをしまして、全室フローリングの家になったんですよ。
なので、引っ越しを機に購入したルンバとブラーバのコンビに掃除はお任せしております。
普段の掃除はルンバとブラーバ。
がんばって掃除するときや、風呂掃除、トイレ掃除は人力でがんばっております。
とはいえ、2人暮らしになってからは生きることが中心なので、がんばって掃除する時間ができていないですね。
がんばって掃除するのは、4人暮らしに戻ってからの予定です。

こんな感じで、赤ちゃんとの2人暮らしをやっております。
ようはワンオペ育児です。
大人が自分しかいない、かつ自分の生活にこだわりがないので、なんとか回っている状態なのです。
第一子のときに2人暮らしをしたときにも思いましたが、こだわりが強いわりに自分では何もしない大人がいるワンオペ育児が一番大変だと思います。
ネットニュースとかを見ると、子供より大人に悩まされている方が多いのもうなずける話ですね。
ワンオペ育児をやっているすべての方を尊敬しております。

ワンオペ育児をやっている皆様、がんばりすぎず、一緒に生き抜きましょう!

Z MAN / 西川秀明 (著)

助けてって言われたから。
暖かいご飯を一緒に食べたから。
その理由があるから、『Z MAN』の主人公であるナナシは命を賭けて戦うのです。
たったそれだけの理由で?と思う読者も多いでしょう。
作中、ナナシに助けられた人たちですら、そう言っていました。
ナナシは嬉しそうな笑顔でうなずくのです。
辛く厳しい戦いに立ち向かうためには、人と人との絆が必要なんだ。
ナナシたちから、そう教わったような気がします。

『Z MAN』は1991年から1995年まで月刊少年ガンガンで連載されていたSFマンガです。
遠い未来、人類は地球から生命力(アバス)と呼ばれるエネルギーを発見し、その力により、人工生命体“イーデア”を誕生させました。
そして、彼らの管理の為に意思を持った超巨大コンピュー タ“MOTHER”を設置。
"MOTHER"の管理下、人類・イーデアは共に更なる文明の発展を目指していました。
しかし、突如として"MOTHER"が狂いだし、地球上の全イーデアが人類に牙を剥く殺人鬼と化してしまいます。
人類はこの危機を乗り越える為に全イーデアの機能を停止する、対イーデア独立停止ユニット"Zイレイザー"を作動。
しかし、狂った“MOTHER”はそれを阻止する為に生命力(アバス)を暴走させ、"Zイレイザー"と衝突。
文明は崩壊し、地球の半分が砕けてしまいました。
そして千年後、荒廃した地球は邪進化悪魔(イーデア)が人を襲い、喰らう暗黒の世界と化していました。
とある邪進化悪魔(イーデア)に襲われる少女ヤティマ。
彼女の助けを求める叫びに応えるかのように、突如として石柱から少年が現れ、彼女を救うのです。
その胸には伝説の“Z”の刻印が浮かんでいました。

石柱から現れた少年こそが『Z MAN』の主人公であるナナシです。
ナナシは、ヤティマを助けたあと、なくしている自分の記憶を探すため旅に出ます。
その旅の途中、アジャンタやギャンザ、ガンダーなど、さまざまな人やイーデアたちとの出会いを経て、ナナシは成長していきます。
そして、物語の終盤では"MOTHER" が狂ってしまった理由が明かされるのです。

『Z MAN』を初めて読んだのは小学生のときだったのですが、読み終わった時の衝撃は大変なものだったと記憶しています。
小学校で開催されたフリーマーケットで、親にねだって買ってもらった『Z MAN』全11巻セット。
ナナシたちの物語は、小学生の僕の胸を熱くさせました。
僕の人格形成に影響を与えた可能性はなきにしもあらずです。

20年以上経った今、Kindle Unlimited に『Z MAN 完全版』があったので読み直し。
久しぶりに読みましたが、物語に引き込まれてしまい、11巻イッキ読みしてしまいました。

大変な時代だからこそ、人と人との絆が大事です。
いろいろな人に読んでほしいですが、特に『Z MAN』が連載されていたときに少年少女だった30代、40代くらいの方々に読んでほしいな、と思います。
あなたの胸が熱くなること間違いありません。

選手に直接声援を届けられなかった僕たちへ

がんばっている選手たちを画面越しにしか応援できないなんて寂しいじゃないですか。
選手たちに直接声援を届けたいですよね。
声援は、あと半歩、あと一歩の後押しになります。

偉そうにふんぞり返るおじいちゃんたちに任せた結果、すぐそこでがんばるスポーツ選手たちに直接声援を届けられなくなったのです。
もう、ふんぞりかえってるおじいちゃんたちに期待するのは止めましょう。

国際大会の応援に行ける可能性が高かったオリンピック・パラリンピックの自国開催

日本から見ると、スポーツの国際大会は海外で開催されることが多いですよね。
応援にいくためには、まず海外に行けることが大前提。
インターネットがあるとはいえ、知らない土地のホテルを予約して、交通手段を調べるのは大変ですよね。
旅行会社のパックツアーといった方法ならその辺はクリアできますが、相応のお金がかかります。
なので、今まではスポーツの国際大会に参加する選手に直接声援を届けられるのは、限られた人しかいませんでした。

56年ぶりの自国開催となったオリンピック・パラリンピック
多くのスポーツ選手が一堂に会して開かれる国際大会。
単種目の国際大会よりもチケットの数が多いので、比較的チケットは入手しやすかったのではないでしょうか。
チケットを取ったら、あとは日本語でホテルを取って、交通手段を調べるだけです。
他の国際大会に比べ、選手に直接声援を届けられる人になれる可能性は高かったんですよ。

ですが、2020年3月。
世界中で COVID-19 が猛威をふるいました。
水際対策という言葉だけで、他の島国のように抑え込むことはできませんでした。
その結果、4月には1回目の緊急事態宣言が発令されました。
世界中で多くの感染者が出て、56年ぶりに東京で開催されるはずだったオリンピック・パラリンピックは延期。

抑え込めていないのに抑え込んだ国と同じことをしようとして失敗。
何度も緊急事態宣言を発令する状況になりました。

20代・30代も政治に参加しよう

今の日本は、おじいちゃんのおじいちゃんによるおじいちゃんのための政治。
そういう理由は、あきらかに失敗し続けている感染症対策だけではありません。
教育も、経済も、外交も、先進国と言われている国々とは逆の政策を選択しています。
これって一部のおじいちゃんしか得しないんですよ。

世界に目を向けると、20代、30代の政治家がいます。
それも国家元首をやっている方もいます。
例えば、オーストリアのクルツ首相は33歳だし、フィンランドのサンナ・マリン首相は34歳。
他にも多くの30代のリーダーがいます。

いつまでもおじいちゃんたちに任せてていいんですか?
偉そうにふんぞり返るおじいちゃんたちに期待するのは、もう止めましょう。
20代・30代の僕らが率先して感染症予防を心がけて、お願いしかできない責任感のないおじいちゃんたちを見返してやろう。
そして、今度こそスポーツ選手たちに直接声援を届けましょう。
選手たちに直接声援を届けられなかったことを悔やむ僕らなら、絶対にできます。

与えられた役割に全力で取り組んでも好転することは限らない『数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。』 / 長田 信織 (著), 紅緒 (イラスト)

仕事で、急にトラブっている現場に行かされることってありますよね。
説明もそこそこに現場に行くと、偉い人やその場に詳しい人から指示をされて役割を与えられます。
右も左もわからないけど、何かを改善していかないといけない。
まずは与えられた役割を全力で取り組もう。
たぶん、多くの人はこう考えると思うんですよ。
ですが、だいたいそういう現場って、今までにないくらい身を粉にしてがんばっても全然改善されません。
むしろ悪化しているんじゃないか、とさえ思うような状況になっていくことのほうが多いです。

好転させたいのになかなか好転しない

本書の主人公、ナオキとソアラもそんな状況になっていきます。
1巻で辛くも戦争を乗り切ったソアラ王女率いる弱小国家ファヴェールですが、戦後賠償で財政が火の車。
さらには、薄氷を踏むがごとくの綱渡りをやってのけた宰相ナオキと、門閥貴族との溝は深まるばかり。
ナオキ状態って、ぽっと出の異邦人が、よくわからない数式と不可解な単語を並べ立てて王女に取り入ったと思われている状態なんですよね。
しかも、ナオキが宰相になったから、経験豊富な侯爵が裏切った。
ファヴェールの心意気を見せつけてやろうと思って準備していたのに、ろくな戦闘もさせてもらえずに戦争が終わった。
しかも、敵国が連れてきた傭兵たちが盗賊化している、というマイナス評価ばかり。
ナオキやソアラの視点から見ると、なんとか致命傷は避けられた、というプラスなんですけどね。
そんな状態で、勝手に仲良くなれるわけありません。
財政再建のきっかけを作るため、ファヴェール国の主戦場、西方戦線の縮小をもくろんだところから物語が始まります。

西方戦線を指揮する総司令は、ソアラの従兄弟で公爵のライアス。
西方戦線を支えるルーリッツという都市を占領した立役者の一人です。
このライアスというのが、なかなかに曲者というか難物というか。
体育会系の取りまとめ役やリーダー役がぴったりなイケメンなのです。
立て板に水、というくらいライアス自身の考えを理路整然と口にし、ソアラを圧倒していきます。
圧倒されたソアラは、現場に詳しいライアスに言われるがまま、現地の有力者との面会という役割を与えられます。
ライアスに信用されていないナオキは、ライアスが考えた戦略を実現するにはどうしたらいいか、膨大な資料の山から分析するという役割を与えられます。
ナオキもソアラも、西方戦線の状況などの知識はありません。
また、現地に詳しく、総司令という立場にいるライアスの指示のため、唯々諾々と与えられた役割に全力投球していくのです。
そう、冒頭で書いた状態になるのです。
どんなにがんばっても、状況は好転していきません。
むしろ、疲弊してどんどん悪化していきます。

与えられた役割に全力投球していたナオキとソアラ
二人は何がきっかけとなって、状況を好転させていくのでしょうか。
きっかけをつかんでも、すぐにうまくいくとは限りません。
キーワードは、感情と理論、です。

ナオキとソアラは当初の目的通り、西方戦線を縮小することができるのか。
財政再建のめどを立てることはできるのか。
ナオキとソアラが数学的な視点から、解決策を導き出していきます。

おわりに

暗黙の了解ほど、ズレが出た時のダメージが大きいものはないですね。
顔を合わせて話しているときは、通じ合っている、同じ考えだって思ったとしても、離れてみると相手とは全然違うことを考えていたりします。
きっとこうだろう、という暗黙の了解、思い込みを基準に行動し続けると、大きなトラブルのきっかけになるかもしれません。
そういう点でも、仕事に活かせる内容が多く盛り込まれている小説です。

1巻に続き、2巻である本書も数学的な要素や様々な理論が登場します。
これを読むと、ちょっと勉強したくなりますね。
ライトノベルではありますが、仕事では指示されることが多い人に読んでほしい作品です。

そういえば、友達はできたんですかね。

ネメシス1 / 今村昌弘 (著)

著者は今村昌弘さん。
『屍人荘の殺人』(しじんそうのさつじん) というミステリー小説を書かれた方ですね。

『ネメシス』は、2021年4月に広瀬すずさん、櫻井翔さんのダブル主演で放送されたテレビドラマです。
共演された俳優さんも人気のある方ばかり。
日曜日の 22:30 になるのをテレビの前で待っていた人も多いのではないでしょうか。

こちらの本はテレビドラマ版の原作、というわけではありません。
テレビドラマ版はオリジナル脚本になっていまして、著者の今村昌弘さんは脚本協力としてクレジットされています。
ということは、テレビドラマ版とは違うネメシスが見れるのではないか。
テレビドラマと小説で二度楽しめる、そう思った私は AmazonKindle 版を購入することにしました。

1巻の目次はこちら。
2話掲載のようです。

第一話 天才探偵、現る!
第二話 美女と爆弾と遊園地

第一話 天才探偵、現る!

テレビドラマ版で大島優子さん演じる上原黄以子、勝地涼さん演じる千曲鷹弘、中村蒼さん演じる四万十勇次が登場する話でした。
閑古鳥が鳴く探偵事務所ネメシスに、浮気調査を依頼しにきた男性が訪れるところから物語は始まります。
所長である栗田は、男性の依頼を断ってしまいます。
慌てる風真を無視していると、次の依頼人が。
それが上原黄以子と探偵事務所ネメシスの面々との出会いになりました。

探偵事務所ネメシスの美神アンナ、風真尚希、栗田一秋が読者と初お目見え。
それに加えて、事件の登場人物の多いこと多いこと。
依頼人となった上原黄以子、殺害されてしまう澁澤火鬼壱、火鬼壱の愛人6名、殺人事件の捜査に来た千曲鷹弘と四万十勇次。
13名もの登場人物が一気に登場します。
しかも、それぞれのキャラクターが濃い!
人物紹介だけでも文章量があることに加え、聞きなれない固有名詞に殺人事件というミステリー。
第一話の中で納まらないんじゃないか。
そう思った読者は私だけではないはずです。
そんな心配はするだけ無駄だったんですけどね。
きっちりしっかり第一話の中で納まりました。

第二話 美女と爆弾と遊園地

テレビドラマ版で橋本環奈さん演じる四葉朋美、三島あよなさん演じるリンリンが登場する話でした。
こちらのお話、小説版だと第二話なんですが、テレビドラマだと第3話として放送されました。
話の順番に違いがあるのも、テレビドラマ版を知ったうえで小説版を読む楽しさですね。

テレビドラマ版とは理由が違いますが、美神アンナと風真尚希の二人はテーマパークに向かいます。
そこで、リンリン、四葉朋美との出会いがありました。
作中、アンナ、風真はリンリンと顔見知りの設定なので再会が正しいですかね。

朋美と意気投合したアンナを二人で遊びに行かせた風真は、千曲鷹弘と四万十勇次に連れていかれてしまいます。
そこで、第二話の事件である爆弾による脅迫を知るのです。
そして、第一話と同様にアンナが謎を解き、風真が話すスタイルで事件を解決します。
推理を披露しているときのノリノリっぷりは、テレビドラマ版以上かもしれません。

おわりに

テレビドラマ版とは違っている部分が多く、新鮮な気持ちで読むことができました。
あっという間に読み切ってしまったので、2巻も購入しようかと思っております。

テレビドラマ版に出てきた登場人物は、全員小説に出ているのか。
結末は同じなのか。
わくわくドキドキしながらどんどんページをめくっていってしまいました。

テレビドラマ版『ネメシス』が好きな方にはぜひ読んでほしい一冊です。

コストコで買ったコーヒー豆がチョコレートみたいな香りと甘味で美味しい

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タイトルが結論です。

と言うのでは説明が足りないと思うので補足、というか蛇足をば。
いつもはカルディでコーヒー豆を買っています。
カルディでは、コーヒー豆 200g で 500円から買うことができます。
お手軽に、いろいろな豆の種類を選ぶことができるので、リピーターです。
最近、カルディのコーヒーポイントが Web 化されました。

そろそろコーヒー豆がなくなるな、と思っていたときにコストコに行く機会がありまして。
以前、コストコに行ったときはコーヒー粉しか売ってなかったと思うんですよね。
今回、たまたまコーヒー豆を発見したんですよ。
いくつかある中で、こちらの写真のコーヒー豆を買いました。

家に帰って袋を開けた瞬間、チョコレートのような甘い香りが。
間違ってカカオ豆を買ってしまったのか、と思うくらいです。
カカオ豆を買ったことないんですけどね。
で、さっそく豆を挽いて、コーヒーを淹れました。
豆と同じようにチョコレートのような香りのするコーヒーになりました。
ブラックでも甘味を感じられるので、かなり飲みやすいコーヒーだと思います。

もし、コストコに行く機会があれば、探してみてください。

私がコーヒーを淹れるときはサイフォンを使っています。
淹れるところが楽しいですよ。

鹿の王 1 / 上橋 菜穂子 (角川文庫)

2015年本屋大賞受賞作です。 2021年9月10日に映画が公開されるということで、今さらながら読みました。

著者は上橋 菜穂子さん。 NHKでアニメになった『精霊の守り人』の作者さんです。

強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。 妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。 ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。 生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!? たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。

この物語を進めていく登場人物は、内容紹介に書かれているヴァンだけではありません。 ヴァンが住んでいた地域を過去に治めていた旧オタワル王国の末裔であり、稀代の医術師と言われているホッサルも、物語の重要な役割を担っています。 謎の病から生き延びたヴァンと、その謎の病を追うホッサル、という二つの視点から物語が進んでいきます。 ヴァンは、病から生き延びた幼子のユナとともに世界を生きていきます。 人や動物との出会いを経て、人々の暮らしぶりがわかる描写があります。 『鹿の王』の世界は、ファンタジー世界だと思うのですが、細かい描写のおかげで光景が想像しやすいです。 ホッサルは、ヴァンを追いかける部分もありつつ、病の治療法を調べる、ということが目的になっています。 こちらはこちらで、国の関係性やどんな役割の人がいるのかということがわかっていきます。

おわりに

物語を進めていく主要人物の視点を切り替えるタイミングがすばらしいんですよ。 続きが気になるところで、視点が変わっていくんですよね。 あー、このあとどうなるんだろう?ってやきもきしつつも、気になっていた続きが読める!という感じで、ページをめくる手が止まりませんでした。 あとは、私にとっては固有名詞が難しい物語です。 読み仮名を振ってくれているのですが、ちょっと忘れたころに出てくると読めないんですよね。 なんだっけ?って思うたびに、読み仮名がふってあるところに戻ることもちらほら。

そして、1巻の終わりが、ここで終わるのか!って思うところで終わりなんですよ。 読み終えてすぐに2巻を注文しました。 この物語の結末が楽しみです。

竜とそばかすの姫 / 細田 守 (角川文庫)

著者は細田 守さん。
映画『サマーウォーズ』や、映画『未来のミライ』の監督さんです。
この本は、2021年7月16日 (金) に公開される映画に先駆けて、原作小説として発売されました。

高知県の田舎町で、父と二人で暮らす17歳の高校生である鈴 (すず) は、幼い頃に母を亡くしました。
その結果、幼い頃には想像もしていなかったくらい下を向いて生活していました。
ある日、友人に誘われてインターネット上の仮想空間〈U〉に参加します。
〈U〉は、もう一つの現実と呼ばれるくらいのリアリティを持ち、世界中にユーザーがいます。
ベルという名前で『U』に参加した鈴は、その歌で瞬く間に世界中から注目される歌姫になりました。
歌姫として〈U〉の中でライブをしていた鈴は、「竜」と呼ばれ、恐れられている謎の存在と出逢います。
恐れられ、孤独な竜との出逢いをきっかけに、鈴は自分の中にある迷いや弱さと向き合っていきます。

舞台装置としての現実と仮想空間

この物語は、現実と仮想空間とがリンクしながら進んでいきます。
自分でも思ってもみなかった状況に陥っている現実と、多くの人に認められ尊敬を集めている仮想空間。
どんなに仮想空間でのベルが認められていても、現実の鈴の状況は変わりません。
むしろ、危うく最悪の状態になってしまう寸前になってしまいます。
そんな鈴ですが、仮想空間での竜との出逢いがきっかけとなって現実を変えていくのです。

鈴が生きる現実の舞台は、高知県の田舎町。
高知県に行ったことはないですが、なんとなくこんな感じなのかなっていう風景が浮かぶ描写から物語が始まります。
のどかな田舎町の風景にとけ込む沈下橋
沈下橋とは、川の水に流されないよう手すりがない橋のことです。
沈下橋が登場したとき、手すりがない橋か、足元滑らないか心配だな、としか思いませんでした。
高知の田舎はそうなんだ、福島の田舎とは違うんだなって思ったことを覚えています。
ですが、よくよく考えると、沈下橋があるっていうことは、何かあれば川を流れる水の量が膨大に増えるっていうことを意味しているんですよね。
沈下橋が一つの伏線になっています。

そして鈴がベルとなる仮想空間〈U〉。
イヤホンや指輪など身につけるタイプのデバイスから生体情報を読み取り、まるで自分自身が仮想空間の中にいるかのような体験ができることから、もう一つの現実と呼ばれています。
冒頭にある〈U〉を説明するシーンから、『サマーウォーズ』の〈OZ〉を連想しました。
技術が進歩した結果、〈OZ〉は〈U〉に変わったのかな。
サマーウォーズ』を観たことがある人なら、たぶんそう感じると思います。
サマーウォーズ』のときには、仮想空間自体が物語の重要なパーツでしたが、『竜とそばかすの姫』では違いますね。
仮想空間自体の重要度は低め。
人とのコミュニケーションを成立させるツールとして使われています。
とはいえ、仮想空間だからこその設定が物語の重要な要素になっていますので、仮想空間である必要性はあるんです。

おわりに

タイトルに書かれている竜について、内容紹介ではほとんど触れられていません。
なぜ竜は周りから恐れられても行動を貫くのか。
竜を知りたいと願う、そばかすの姫、鈴。
読者にも竜の秘密が明かされないまま、物語は進んでいきます。
鈴と一緒に少しずつ竜の秘密に迫っていきます。
竜と出逢い、その秘密を追いかけていく中で自分自身と向き合い始めた鈴が、竜との交流を経てどうなったのか。
ぜひ、本書を読んで、あなたの目で確かめてください。

そして、歌姫となったベルが歌う歌が、小説の中に登場しています。
歌詞は書いてあるんですけど、メロディーはないんですよね。
小説なので当たり前なのですが。
ですが、本書は映画の原作小説。
映画を観に行けば、小説の中に登場した歌を、メロディーつきで聴くことができるのです。
エキストラシンガーを募集していた理由はこれか!というシーンも原作小説にちゃんとありました。
映画館で、この素晴らしいキャラクターたちが動き、しゃべり、歌う姿をいっしょに観ましょう。

やむなく会社を辞めて、「フリーで・個人で」仕事をする前に読む本 / 佐藤 建一 (著)

2011年9月7日に発売された本です。
本が発売される半年ほど前に東日本大震災がありました。
あれから10年以上経った2021年現在でも、その爪痕は各地にくっきりと残っています。

東日本大震災により、企業の経営が傾いてしまったり、危うくなっていることが発覚してしまったり。
会社の状況が変わったことで、内定取り消しやリストラが多く行われました。
大規模な内定取り消しやリストラは、リーマンショック以来かもしれません。

そんな情勢の中で発売された本書は、40代後半から50代でリストラされてしまった元サラリーマンが主なターゲットになっています。

自己都合退職と会社都合退職の違い。
再びサラリーマンに戻ることの難しさ。
「フリーで・個人で」仕事をするときのメリットとデメリット。 本書を読んでいくと、それらが順番に、理論立てて説明されているため、ストンと腹落ちしやす区なっています。

そして「フリーで・個人で」仕事をする上で、許認可が必要な業態が列挙されています。
10年ほど前の本なので改めての確認は必要ですが、自分が取り組もうと思った業態は許認可が必要なものなのかどうかを簡易的に知ることができるのはありがたいですね。
許認可が必要な場合、どのような申請や免許が必要になるのかも記載されています。

それに加え、事業を継続していくにあたってのヒントや、保険周りについてのアドバイスも記載されています。

どうしても「フリーで・個人で」仕事をしなければならなくなった時、仕事を起こす前に読むのがよい本だと思いました。
現時点でも参考になる本だと思いますので、「フリーで・個人で」仕事を始めようかなって考えている方は、ぜひ一度読んでみてください。